大きな明かりが無いせいで表情は分からないが、心なしかリオンの声に覇気が無く感じる。

 この状況は辛いだろうなと、セシルとシャルティエは思った。


「ていうか何で旧型なのよ。こっちは命張ってんだから、もっとお金掛けてもいいじゃない」

「んー、新型だと出所掴まれる可能性があるからね。旧型なら結構出回っ――」


 答える途中でセシルは剣を抜き、ルーティの頭の上で一閃させる。直後、何かが海に落ちる音がした。


「な、何!?」

「皆掴まってっ、スピード上げる!」


 返答を聞かず、彼女はスピード上げる。

 一体何事かと皆海を見ると、何かが海中から跳び跳ねながらボートを追い掛けて来ていた。


「モ、モンスター!?」

「コレもグレバム!?」

「かも……ね!」


 顔色が悪いであろう少年を気にしつつ、陸を目指す。


「至極、くだらない……!」


 所詮、その程度。


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -