皆が乗り込んだボートが、穏やかな海に降ろされる。その後ロープが解かれ、船はゆっくり領から離れて行った。
「なあ、帰りはどうするんだ?」
「グレバムをどうにかしない事には国は出られないと考えるべきだろう。
仮に奴が国のトップと繋がっているとしたら、グレバムを捕まえさえすれば向こうは此方の言う事を聞くかもしれない。そうしたら船の一隻くらい出すだろう」
「余所の船が何時までも彷徨いてたら、向こうも尻尾出さないかもしれないしね」
スタンは納得し、ボートの船尾で何かを弄っているセシルを見る。
暫くすると、小さめ機械音と共にボートが動き出した。
「もっとスピード出ないの?」
「出るけど、これ以上出すと音が響くんだよね」
「島に着いたら、ボートはどうするんだ?」
「その辺に隠せばいいだろう。旧型の安物だし、見つかったとしても向こうは僕達の存在を知っているんだから、痛手は無い」
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bkm
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