でっち上げの質問に、セシルは神妙な面持ちで答える。
「……下僕?」
《下僕!?》
「クッ……」
《坊っちゃんっ、何で笑ってるんですか!》
理由は言わずとも、シャルティエは分かっているだろう。
夜空に向かい彼は叫ぶ。
《もうちょっと他に言い方あるでしょーー!!》
「あ、そっち?」
下っ端根性というモノかどうかは分からないが、彼は下僕という“呼称”に不満があると言う。
セシルとリオンは首を傾げた。
「他に何かあるかな……」
「んー……僕、召使、臣下――」
《臣下良いじゃないですか!》
本人はそう言うが、二人は微妙な顔をする。
「臣下ってのは、シャルティエっぽくない気が……」
《ぇえ!?》
「そうだな。だからと言って奴隷はあんまりだから……やっぱり下僕か?」
「だね」
《納得しないでー!!》
狼狽える剣に、二人は軽く笑う。
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