「子供らしくって……具体的にどういう事なんだ?」
「うーん……友達と勉強したり、遊んだり……?」
「セシルはそういう、事……」
聞くべきではない質問だと気付いたのは、質問の半分以上が口から出た時。
彼女は暫く考え込み、答えた。
「私は、友達いなかったなー、うん」
「ゴメン……」
「どうして君が謝るんだい? 本当の事なのに」
「…………」
どんな理由でも彼女は苦笑し、気にしなくていいと言うだろう。
気遣いの出来る、優しい女性。
「君と私は、友達、なのかな?」
「それは……」
出来れば友達以上の関係に。
そうは思っても、彼は頷き肯定した。
「そっか、良かった」
「うん……」
彼女は笑って“良かった”と言った。
彼は再び頷き、極々小さな溜息をつく。
《坊っちゃん、ドンマイです》
「うるさい……」
「何か言った?」
「ん、シャルティエが、自分はどうなんだって」
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bkm
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