「リオン、経過はどうだい?」

「生憎全然だ、なかなか口を割らん」


 ドアの鍵を閉め、ティアラのスイッチをしまい、リオンは溜息をつく。

 しかしルーティの存在に気づき、内心慌てながら咳払いをし誤魔化した。


「ふーん、僧兵の肩書は伊達じゃない、か」

「……ああ」


 ルーティの言葉に、やや間を空けてからリオンは頷く。

 二人が交わした言葉はそれだけで、ルーティは早々とその場を後にした。


「何だ、アイツ……」

「んー、子供は子供らしくが一番って話さ」

「は? ……もしかして、僕の事か?」

「さあね、っと」


 苦笑しながらセシルは歩き出し、リオンもその隣を歩き、メイドに一声掛けてから二人は庭のベンチに腰を降ろした。

 空には、月と星が輝いている。


「フィッツガルドの空も、綺麗だね」

「ん……」


 時間がゆっくり流れている様な、そんな感覚に少年は陥る。

 本当にそうならば、願ったり叶ったりなのだが。


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