「船団の後始末は私がやっておくわ。リオン君は、尋問、始めるんだったわね」
「ああ」
「休まなくて大丈夫? ずっと緊張しっ放しじゃない?」
「任務が終われば、この緊張からも解放される。だから、必要以上に気を抜く事はしない」
「そっか……、無茶はしないでね」
そこでリオンから離れ、イレーヌはセシルに声を掛けた。
「セシル、リオン君雰囲気変わったんじゃない?」
「あ、やっぱり分かる?」
「分かるわよ、彼とは結構付き合い長いし」
隣に立ち、彼女は穏やかな海を見つめる。
「ビックリしたのよ、リオン君が貴女以外の人と親しくしてるの。言っちゃアレだけど、彼って取っ付きにくい所あるから」
「かれこれ16年そうだしね、ビックリするのも仕方ないというか」
「でも、分かる気がするな。スタン君とちょっと話したけど、彼って真っ直ぐで、羨ましいというかさ」
「羨ましい、か……」
私にとって彼は。
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bkm
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