港に戻ると、街人達は一斉にコングマンを囲み、コールを上げた。


「やれやれ、アタシ達も頑張ったんだけどねェ」

「コングマンはこの街の英雄だしね。彼の行動全てが、この街の希望なんだろう」


 ルーティの愚痴にセシルは苦笑しながら返す。

 フィリアは、時折飛んでくるコングマンのウィンクに苦笑いしか出来ずにいた。


「……やっぱり、コングマンには敵わないわね」

「イレーヌ?」


 笑いながら小さな溜息をつく彼女に、リオンは首を傾げる。


「眼に見える強さって偉大よ、良い方にも、悪い方にも変えられる。コングマンは、良い方ね」

「お前だって、この街に随分と貢献してるじゃないか」

「うん……でも、結局私も余所者なのよ。
 でもね、今は皆、勝利を喜び合う事で一つになってる。不謹慎だけど、コレをキッカケに良い流れを掴めたらと私は思うわ」


 彼女は前を見る事が人間。

 少年はそれが羨ましかった。


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bkm

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