手加減されてたとはいえ、晶術を生身で受けた男は崩れ落ちる。

 未だ意識はあるらしく、リオンはシャルティエを突き付け問う。


「答えろ、グレバムは何処に居る」

「ハッ……知らねェなァ……」

「バティスタ、貴方……!」


 フィリアが非難の声を上げると、男は笑った。


「馬鹿かお前……約束なんざ、破る為にあるんだよ……」

「…………」


 完全な決別。

 リオンは一つ溜息をつき、告げた。


「此処で吐いた方が利口だと思うがな」

「甘っちょろいな、ガキが……」

「僕が甘いかどうかはこれから身を持って知るといい。……セシル」

「うん」


 セシルがロープを出し、バティスタを拘束する。

 将が捕らえられた事はすぐに船内に伝わり、皆武器を手放した。


「リオン、顔色……」

「……さっさと、戻るぞ……」


 一段落したせいか、一気に症状がやって来たリオンは、空元気の状態で敵船を後にする為に歩く。


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bkm

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