しかし船長室らしき部屋に、敵船員等と共に眼鏡を掛けたふてぶてしい態度の男は居た。

 その雰囲気からしてやはり、


「ほら、言った通りじゃんか」

「うっさいっ」


 小声で話すスタンとルーティの隣で、フィリアが震える声で言った。


「バティスタ……!」

「何……?」


 グレバムに付いたという僧兵。

 鈍く輝く鉤爪を装備した男は、卑しく笑う。


「ほう、ノロマのフィリアが此処まで来るなんてなァ」

「バティスタ……、グレバムは何処です!?」

「さあなァ? 知ってても敵であるお前等に教えるわけねェけどな」

「なら話は簡単だな」


 シャルティエを抜き、リオンは言い放つ。


「力ずくで吐かせるまでだ」

「へっ、言ってくれんじゃ、ねェか!」


 バティスタの合図と共に敵船員達が、襲い掛かる。

 彼等は来るまでに相手にした船員達よりも実力は上らしく、その動きは格段に違う。


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