「大変だ! 誰かが闘技場のモンスターを放ったぞ!!」
「何ですって!?」
闘技場には避難した民が居る。
真っ先にイレーヌが走り出し、皆も続く。
「キャァア!!」
闘技場から飛び出したモンスターが、先程の少女を襲おうとしている。
イレーヌが跳び、少女を庇う様にして共にモンスターの攻撃範囲から逃れようとした。
「くっ……!」
「イレーヌさ――!」
肩に切り傷を負いながらも攻撃は避けたが、すぐに次のモンスターが来る。
今度は逃げる暇が無い。少女を抱き締め、背中で傷を負おうとしたが、その前にモンスターは悲鳴を上げ石畳に崩れ落ちた。
「コ、コングマン……」
「勘違いするんじゃねェぞ、俺様は俺様の街を護りだけでェ」
コングマンは、拳を振り上げ叫ぶ。
「俺様の街で悪さなんぞ許さーん!!」
「おーー!!」
彼の鼓舞に、皆が答える。ついでにスタンも。
「マイティ・コングマンか……」
この闘技場のチャンピオン。
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bkm
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