フィッツガルド中心都市・ノイシュタット。

 発展途上のこの街はダリルシェイド程ではなくとも、人と物に溢れていた。


「すっげー、賑やかだなー」

「貿易船の出入りが多いしね、ダリルシェイドとはまた違った賑やかさかも」

「で、イレーヌって人の屋敷に行くのよね。場所分かんの?」

「此処には何度か来ている問題無い」

「でも、こう人が多いとうっかり迷子に……あら?」


 フィリアが足を止め、周りを見渡す。

 他の皆も足を止めた時、ルーティが異変に気付く。


「あ、またマリー居ないし! もうっ」

「あー……捜す?」

「ティアラの発信器があるから、すぐに見つけられると思うが――」


 リオンが受信機を取り出し確認しようとした直前、誰かの声がスタンの名を呼んだ。

 声が聞こえた方を見ると、青年が一人駆け酔って来ていた。


「あれ……バッカス!?」

「スタン! お前、何やってんだよ!」


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bkm

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