「なあ、ノイシュタットのイレーヌさんってどんな人なんだ?」
スタンの質問に答えたのは、軽食を取っているセシル。
「ん……スタンは、ノイシュタットはどんな所か知ってるかい?」
「えっと……凄く発展してるくらいかな……」
同じ国とはいえ、街との交流が殆どないのならその程度の事しか知らないのは無理も無い。
セシルはグラスを置き、フィッツガルドの地図を広げた。
「ノイシュタットは発展途上の街でね、今ではフィッツガルドの玄関口になってる。物資の輸出入も多く、一応セインガルドとも提携を結んでる。
ただ急激に発展したせいか貧富の差が激しくてね、争いが絶えないんだ」
「同じ街の人なのにか?」
「うーん、富を持つ所謂上流階級の人々は元々セインガルドに居た人が多いんだ。だから一概に同じ街の人々とは言えない。
余所者が我が物顔で自分達の街を好きにしている……地元民は良い顔をしないだろう」
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bkm
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