リオンの問いにフィリアは、間を置き重く頷いた。
同じ神官として、辛いものがあるのだろう。
「グレバム様に付けば良いものをと……彼は、ハッキリ言いましたから。間違い無く今は、グレバムと共に行動しているでしょう」
「僧兵か……、フィリア、バティスタというのは信仰心は高いのか?」
「はい。ちょっと言動は粗暴な事が多いですが、真面目で、よく私を助けてくれた……良い神官だと、私は思います」
彼女は、その男を信じたいのだろう。視線が床に落ちている。
「面倒な事にならなければいいが……」
信仰心が罪悪感を無くし、形振り構わず実行する、即ち確信犯は非常に厄介な存在。
確信、それは時に自分の命すらも投げ出そうとするのだ。その信仰対象が、何であれ。
「フィリア……」
心配そうにスタンが彼女の名を呟く。
暫く沈黙が続いた時、ふとフィリアが顔を上げた。
prev next
bkm
[back]