上手い事誘導された様な気がしなくもないリオンは首を傾げるが、彼女を見てすぐに苦笑した。

 笑っている彼女は、少年に喜びの感情を与える。


「そろそろ中に入る? シャルティエ錆びるかも」

「ああ、そうだな」

《そのネタ何時まで引っ張るんですか……》


 シャルティエの呟きを無視し、二人は船内へと戻る。

 部屋では、他の皆が何やら真剣な面持ちで考え込んでいた。


「ん、どうしたんだい?」

「あ、セシルさん、リオンさん……実は、気になる事がありまして」


 伏し目がちなフィリアが、二人に部屋の雰囲気の理由を話す。


「実は、カルビオラでグレバムと対峙した時、バティスタという神官の姿が見えなかったのが気になったんです」

「バティスタ……グレバムの側近かい?」

「はい、私の先輩で……腕の立つ僧兵です。ストレイライズ大神殿で石にされる途中、彼の声を確かに聞いたのですが……」

「その男がグレバムの一派である事は間違いないのか?」


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bkm

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