皆は荷物を纏める為部屋を後にした。
残ったのは、針路についてもう少し話し合うと理由を付けたセシルとバルック。
「誰かを助けるのに理由は要らない、か……それをお前が言うかね」
「……何とでも言うといい。私は彼に、客観的な意見を与えただけだ」
「それに私が感謝するとでも?」
「そんなモノは期待しない、君が相手なら尚更」
目の前の冷たい女は、モンスターなんぞにやられはしないだろう。
バルックには、その確信があった。
「君は、一体何者だ」
「意図を理解しかねる質問に答えるつもりはない。貴様はヒューゴ様の意思に従い、己の欲を形にすればいい」
「…………」
彼女の言う通りだ。
だが、
「何とも、思っていないのか?」
「理解出来ない質問に答えるつもりは無いと、言った筈だが」
「……そうか」
「私の役割はリオン・マグナスとシャルティエの監視……それだけだ」
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bkm
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