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「じゃあ私達が向かう先はフィッツガルドの中心都市ノイシュタット……で、いいかな」

「ああ、他に選択肢は無いからな」


 他の面々も同意見らしく、深く頷く。

 話が纏まった所で、バルックが明るめの声で伝えた。


「船は此処から一番近い海岸に寄越してある。当然、一番速い船だ、最短ルートでより早くノイシュタットに到着出来る」

「用意がいいな」

「伊達に38年生きていないさ。出来る限りのバックアップはすると決めているからね」


 彼の笑顔には大人の余裕が見て取れる。同時にそれは、若者達に安心させた。


「私が馬車で送って行こう。勿論全速力でな」

「…………」


 馬車は揺れる。ゆっくりならは問題は無い、ゆっくりなら。

 その後は、船。


《坊っちゃん、気を確かにっ》

「僕は常に正気だ……」


 こればかりは、どうにもならない故に。


「腹は既にくくってる……」


 前途多難過ぎるが。


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bkm

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