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「まあ飛行竜は航路をかなり綿密に計算しないと目立つから、融通が利かないと考えるとそれで神の眼を運んでるのは考え難いかな。現存してるのはセインガルドの失踪したルミナ=ドラゴニスだけだし。
 夜間飛行ならまだ目立たないだろうけど、微妙かなァ……」

「全長100メートル、体高60メートルの代物を船で運ぶのも無理があるな」

「仮にグレバムが飛行竜を奪ったとしたら、少なくとも夜以外は隠すよね」


 出た結論は、今現在では結論が出せない、という事。

 飛行竜の話は、一時置いておく事になった。


「飛行竜は駄目かー……」

「いや、スタンの発想は良かったと思うよ。飛行竜失踪もかなり大問題だし、時系列を考えるとグレバムは最も疑わしいから、落ち込まないで」

「うん、ありがとうセシル」


 すぐに立ち直り、スタンは何時も笑顔を取り戻す。

 話は既に、終わりを迎えようとしていた。


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bkm

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