和やかな雰囲気だったが、バルックの話が始まった事で一気に皆は緊張感に包まれた。

 バルックは書類を片手に、テーブルに地図を広げる。


「さっき入ってきた話なんだが、フィッツガルドへの航路を取った不審船があったそうだ」

「グレバムか?」

「恐らくはな。船は君達が見た神の眼とやらを運ぶには充分の大きさだった様だ。此処がカルバレイスとはいえ、身元の分からない不審船を何時までも陸の近くに置いておく筈が無いか」

「なるほどねェ。カルビオラは海の側に無いから、あんな巨大なレンズと一緒に一日足らずで砂漠越えして船に積むなんて無茶するわね」

「……手際が良すぎる気もするがな」


 ルーティの意見に賛同しつつ、リオンは思った事を口にする。

 それに答えたのは、セシルだった。


「バルック、チェリクには神の眼は持ち込まれなかったんだよね?」

「ああ、部下達に港周辺を見張っていてもらっていたからそれはない筈だ」


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bkm

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