満面の笑顔で彼は言う。
そして、彼女の一歩斜め後ろのリオンを見た。
「リオンが、バルックさん達を連れて助けてくれたんだよな?」
「それは――」
「ありがとうな、リオン」
彼はなんて馬鹿正直な男なのか。
「なあリオン……俺達って、やっぱり対等にはなれないか?」
馬鹿正直だから、こんなにも。
「……フン、今回グレバムを逃した事で僕達の顔が向こうに知れてしまった。だから次こそ必ず、奴に“僕達の力”を見せつけて神の眼を奪い返してやる」
「え……」
反応の鈍い男に、少年は声を荒げた。
「奴に僕達の力を見せつけてやると言ったんだ! 分かったか、スタン!」
「……ああ!」
笑う青年と、苦々しい顔をする少年を見て、ルーティが小さく溜息をつく。
「何、雪解けってヤツ?」
「セシルさんとも、仲直り出来たようでよかったですわ」
「ああ、仲良しが一番だ」
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bkm
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