「……甘える事と、助け合う事は、違うと思うよ?」
「……!」
「私は、君と助け合える関係でいたいな」
「…………」
諭す言葉。
だがその言葉を口にする人が、此処ではない何処かを見ている様に感じるのは何故だろうか。
「セシル……」
「うん?」
「……ありがとう」
「……うん」
自分が子供である事を認めるのには、抵抗がある。だがそれが、前へ進めるキッカケとなるならそれもいい。
少年は苦笑してみせた。
「じゃあそろそろ行こうか、皆待ってる」
「ああ」
ベッドを降りるセシルにリオンは手を貸す。
それを借りてベッドを降り、二人はバルックが居るであろう応接室に向かった。
「セシル! 身体は大丈夫なのか!?」
「その言葉を私はオウム返ししたいなァ」
石にされ先程まで気を失っていたスタンに、セシルは苦笑する。
「俺はもう大丈夫だよ」
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bkm
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