《どうです坊っちゃん、ピコハン凄いでしょう!》
「う、うるさい!」
息を乱すリオンは、共に戻って来たバルックと共に胸を押さえるセシルに駆け寄る。
他の女性陣はセシルの指示で、ディムロスを受け取り気を失っているらしいスタンの様子を見ていた。
「リ、リオン、助かったよ……」
「セシル……一体……」
「アハハ、ちょっと自分を過信してたかな……君に、彼等の事任せられたのに……」
「え……」
驚いた顔をしている少年に、彼女は微笑む。
「だって君は、一緒に来いとは、言わなかっただろう……?」
「…………」
「スタンは……君を庇ったんじゃ、ないのかい?」
「それ、は……」
肯定はしない、否定もしない。
セシルは少年の肩に手を置き、寄り掛かった。
「セシル……?」
「少し……こうさせて……」
私が欲しいのは。
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bkm
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