「スタン、ゴメンよ!」
謝罪しながら、石化しているスタンにパナシーアボトルを投げつける。瓶は割れ、中の薬品が石を生身に戻していく。
「……くっ」
胸に痛みが走ったが、構わずセシルはモンスター群に走り寄る。
晶術による後方支援を行うルーティとフィリアを護る様に、セシルとマリーが前衛で武器を奮った。
「セシル! リオンは!?」
「彼は、――!」
先程よりも強い痛みが走り、彼女はついに膝を着く。
《セシル!》
「く……ぅ……」
立ち上がらなければと焦る程、身体が強張り自由が奪われる。
そんな彼女にバジリスクが一体、飛び掛かって来た。
「……!!」
マリーの斧よりも、後衛の晶術よりも、バジリスクの牙は細身の身体を狙う。
そこに響いたのは、少年の声。
「ピコハン!」
召喚された鎚が頭に落下し、バジリスクは牙を剥いたまま床に崩れ落ちる。
直後に、武装した屈強な男達が雪崩れ込み、モンスターの掃討を始めた。
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