「……!」


 大聖堂のセシルは、異様な気配に気付き階段を降りる事はせず柄に手を掛ける。

 嫌な静けさが続いたが、暫くして走る足音が彼女の耳に入った


「……リオン?」


 現れたのはやはりリオン。

 彼は焦った様子で、状況説明をせずに質問する。


「セシルっ、グレバムが出て来なかったか!?」

「いや……、来てたら間違い無く私が止めている。
 それよりもリオン、他の皆はどうしたんだ?」

《それは――》


 マスターの代わりにシャルティエが答えようとした時、リオンは走り出し大聖堂を出て行ってしまった。

 呼び止める暇も無く階段に背を向けていたが、直ぐ様振り向き様に剣を抜いた。


「……バジリスク……!」


 床に転がるのは消滅仕掛かっている、バジリスクの身体。

 絶命し消滅していくという事は、神の眼によって生み出された物か。


「グレバム……余計な事を……!」


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bkm

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