「フィリア、居るかい?」
裏口のドアにセシルが声を掛けると、すぐに望んだ返答があった。
『お待ちしておりました……。今、鍵を開けますね……』
すぐに鍵が開く音がし、ドアが開かれる。
足音を立てぬよう中に入り、別れた時と変わりないフィリアに皆は一先ず安堵した。
「フィリア、グレバムが居る確証は掴めたか?」
「いえ……、他の方の話に耳を傾ける分には全く……。
ですが、この神殿の大聖堂はストレイライズ大神殿のモノと全く一緒でした。もしかしたら……」
「隠された何かがあるかもしれない、か」
リオンの問いに対するフィリアの答えに、セシルが続く。
他の面々も納得し、頷いていた。
「今の時間なら礼拝してない……よね?」
「はい、規則正しい生活を送る事が、身を清らかにする第一歩ですから」
司祭である彼女の言葉は、非常に説得力がある。
一行は、この神殿に居る者達が皆信仰心が高い事を祈りつつ大聖堂へ進んだ。
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