リオンは呟き、憂いの表情を見せた。やはり彼は子供だ。
「ルーティの事を考えているのかい?」
「ち、ちが……その……」
「無理をしなくていいんだよ、私は責めたりしないから」
「……セシル――」
彼女の名を呟き彼は笑みを浮かべる。シャルティエはそんなマスターに軽く笑った。
《坊っちゃん、セシルにはホント弱いですよねェ》
「うるさいっ、セシルはその……色々世話になってるから……それだけだ」
《ヘェ……まあ、そういう事にしておきましょうか》
「くっ……覚えていろ……」
主従の会話にセシルは微笑んだ。
暫くしてセインガルド城が姿を見せる。
「ソーディアン……シャルティエも合わせて三本、同じ場所にあるわけか……」
《そうですね……何だか僕憂鬱ですよ……》
「僕にはそんな事関係無いがな」
《坊っちゃんの鬼……》
「フフッ……二人は仲が良くて羨ましい」
そう呟くと彼はすぐに否定するが、どうやら満更でもなさそうだ。当然シャルティエは嬉しそうにお喋りを再開している。
「ホント……羨ましい――」
四本、なんだよ……エミリオ・カトレット。
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