「うーん……、電撃じゃあうるさいかもなァ……」
「何か静かに起こす方法ってある?」
「叩いてみようか、スパンと」
「それはもうやった。……結果がこの様だ」
深夜、神殿に行こうとする一行の前に予想通りの壁が立ちはだかった。
その名はスタン・エルロン。ディムロスも溜め息をついている。
「うーん……ちょっと力業でいってみようかな。皆部屋の外で待っててくれる?」
笑顔のセシルに言われ、皆はスタンとディムロスを残し言われた通り部屋を出た。
一体何をする気なのだろうと、全員聞き耳を立てる。
『よっ……と』
『――――!?』
『おい、それ以上は関節外れるぞ』
『え? あ』
そんな不穏な会話の後、セシルは自分の肩を押さえ部屋から出て来た。
「起きたよー、ちょっと放心状態だけど」
「な、何やったの……?」
「関節キメたんだ。久しぶりやったから肩痛めちゃったよ」
恐る恐るリオンが確認すると、スタンが腰を押さえ踞っていた。
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bkm
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