痛みが引き、頭に酸素を送ろうと深く呼吸を繰り返す。
落ち着いてみれば、ルーティとマリーが心配そうに彼女を見ていた。
「アンタ大丈夫? かなり魘されてたけど……」
「…………」
何とか言い訳を言おうにも、思う様に口が言葉を紡がず沈黙する。
漸く声が出せたと思えばそれは、
「嫌な……夢見て……」
口が勝手に真実を告げる。
「夢……?」
《さっきのは、精神的なモノから来ていたのかもしれないわね》
アトワイトの言葉は、セシル自身にも理解出来た。
だが、何故こんなにも苦しいのかが、理解出来ずにいる。
「……死なせてしまった人が居る」
言う事を聞かず、言葉が紡がれていく。
「その人にはよくしてもらっていたのに……、助けられた筈なのに、死なせてしまった……」
三人は、まるで許しを請う様な彼女の言葉を静かに聞いていた。
「私が、殺した様なものだ……」
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bkm
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