「マリー、ホントにマイペースね……」

「そうだね……。まあ、夜まで静かに休むという目的としては見習うべきかな」

「そうね。アタシは小銭とレンズの整理でもしようかしら」

「寝はしないんだ……」


 早速財布を開け、床に小銭の山を作るルーティにセシルは苦笑する。

 そんな彼女にアトワイトが声を掛けた。


《セシルさんも休んではどうかしら。いざという時は起こすわ》

「うん、アタシが見張りしといてあげるわ。アンタ人一倍動いてんのに、人一倍休憩量少ないでしょ。何時かぶっ倒れるわよ」

「あー……んー、うん……お言葉に、甘えようかな」


 ルーティは小銭の山から全く眼を逸らさないが、彼女の心遣いに感謝しセシルは横になる。

 冷えた空気の中、小銭による小さな金属音を耳にしながら彼女は眠りにつく。


「……リオンって愛されてんのねー」

《あら、ルーティがそういう話を切り出すなんて珍しいわね》

「うっさいわね、アタシだってたまには他人に興味持ったりするわよ」

 愛される事による幸せを知っている彼女は、小銭を積み上げ相棒に言葉を返した。


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bkm

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