カルバレイス首都カルビオラに到着した一行は、馬車から降り街に足を踏み入れる。
彼等に突然、街の住人らしき女性が警戒心を隠さず声を掛けて来た。
「アンタ達、何処から来たんだい」
「あ……私達はチェリクから来ました」
フィリアの答えを聞いた女性は、警戒心を無くし急に笑顔になった。
「そうかいそうかい、砂漠越えは大変だったろう? この時期は気温が更に高いからねェ」
「は、はい……」
その変わり様にフィリアは少々戸惑いつつ、それをなるべく表に出さない様に物腰柔らかい女性に質問をする。
「あの、この街にアタモニ神団の神殿があると訊きましたが……」
「ああ、あの余所者が立てた神殿かい、この大通りを真っ直ぐ行った先にあるけど……。あんなの立てたってアタシ等はアタシ等の神しか信じないってのにさ。
アンタ等も注意しなよ? それじゃあね」
心からの親切を最後に彼女は去った。
皆は人が居ない日影に移動し、取り敢えず一息つく。
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