リオンが得た情報を伝えると、バルックは快く馬車を貸してくれた。
徒歩での砂漠越えを回避した皆は胸を撫で降ろし、セシルが御者となり一行はグレバムが向かったらしいカルビオラへと進む。
《はぁ……》
《あら、どうしたのシャルティエ。
まあ、聞かなくても大体分かるけれど》
《十中八九、マスターの事じゃろうな》
《そしてセシル、か》
他のソーディアン達に溜息の理由を見破られたシャルティエは、更に深い溜息をついた。
《凄く、それは物凄く勘違いされやすいけど、坊っちゃん悪い人間じゃないんだよ。
今回の単独行動も、セシルに頼ってばかりじゃ駄目だっていう焦りからきた事でさ……》
《分からんでもないが、客員とはいえ国に仕える者としては失格だな》
《だよね……、僕も、分かってはいるけれど……、剣の身じゃどうにも出来なくて……》
《前のマスターの時とは違う、難しい問題ね》
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bkm
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