「バルックにばかり任せては、進展しないと思ってな」
「……そう、か。だけどせめて、周りに一言掛けるとかするべきじゃないかな」
「……分かった」
何かが噛み合わない様な、妙な雰囲気が流れる。
それを打破したのはスタンだった。
「リオン、何を話してたんだ?」
「――――」
先程まで居た男は既に立ち去っている。
口を閉ざすリオンの代わりに、シャルティエが答えた。
《情報屋です、お金を払って知っている事を聞き出したんですよ》
《情報屋……信用出来るのか?》
ディムロスの危惧を否定したのは、セシルと眼を合わせないリオン。
「善人ぶっている奴より、要求がハッキリしている方が、分かりやすい分信用出来るだろう」
「ふーん……? でも、シャルティエも居るからって一人で行動する必要は無いだろ? もし何かあったら――」
「もし、の話だろうそれは。僕に負けた奴が、上から口を利くな。
第一お前達と僕は他人なんだ、これこそ信用出来るか分からん」
「リオン、それ以上は流石に寛容出来ないよ」
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bkm
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