呆れるルーティと、力強く頷くマリーに続き、フィリアがセシルに声を掛けた。

「セシルさん、一人で捜すおつもりでしたか?」

「あ……それは、まあ……」

「やっぱり、それでは危険ですわ」


 彼女の指摘に、セシルは何も言い返せず苦笑するしかなかった。

 そこにバルックが、畳まれた紙を差し出す。


「町の地図だ、私は報告を受ける為にオフィスを離れるにはいかないからな……」

「それがバルックの仕事だから仕方ないよ。
 よし、行こうか」


 地図を受け取り歩き出すセシルに、皆が着いていく。

 それを見てバルックは、自分の顎に手を置いた。


「……彼女は、一体……」


 外はやはり暑く、スタンとマリー以外は各々の反応でそれを表現する。


「この環境で暮らす人達を、私は尊敬するよ……」

「同感ね……。スタン、ヘラヘラしてんじゃわよ……!」

「イタッ、小突く事無いだろ!? ていうかヘラヘラしてないし!」


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bkm

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