要らん事を言うなと訴えるエミリオの眼だが既に遅い。
「リオン、ちゃんと休んでるのか?」
「お陰様でな、残った使用人が世話焼きばかりで自宅では割と休める。お前みたいなお人好しばかりだ、給金だってそんなに払えないというのに」
「マリアンさんが中心になってんだもの、そんなもんよ。バケツでプリン作り始めた時はビックリする事すら忘れたわ」
「プリン美味しいもんなぁ」
スタンが少し的外れな事を言っているが今更なので姉弟は気にしない。
「ところでさルーティ、ダリルシェイドにしょっちゅう行ってるのか? そんな風に聞こえるんだけど……」
「あー……まあ、ね、コイツをからかいにね」
「月始めに必ず墓参りに来るんだ父さん達の」
「ちょっ……!」
彼女も要らん事を言うなと眼で訴えるが、返された眼は“ざまぁみろ”と嘲笑している。そうとなっては反論しようがなく、少し戸惑いながら彼女は横目で青年を見た。
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bkm
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