「んー、美味しー、酸味がたまらないねコレ」
フルーツを片手にセシルは笑顔で感想を言う。
ルーティやフィリア、マリーも笑顔であり、スタンはと言えばどんどんフルーツを胃に収めていった。
《スタン、少しは落ち着いて食べんか》
「いや、だってさ、食べられる時に食べなきゃ駄目だろ?
それにこんなフルーツ見るの初めてだしさー」
「この地特有のフルーツだからね、他の土地では殆ど出回らないだろうし」
「もったいないわねェ、イイ商売出来ると思うんだけど」
ルーティが腕を組み、頭の中で計算を始める。アトワイトは溜息をついた。
「確かに、他の地方に良いアピールをするにはピッタリかもしれないな」
「ん、バルック?」
口を拭き顔を上げると、笑顔のバルックが此方に歩み寄って来ていた。
「何か分かったのかい?」
「すまないが答えはNOだ。
ところで、リオンはどうしたんだ?」
「ん? 他の部屋で休んでる筈だけれど」
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bkm
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