エミリオの言葉で我に返ったスタンは慌てて立ち上がり、改めて彼女を見る。
周りの者達は温かい雰囲気に包まれていた。
「ルーティ……あの……」
「はいはーいっ、皆様ご注目!」
スタンを遮りルーティは片手を上げ宣言する。
「私ルーティ・カトレットは、此処に居るスカタンことスタン・エルロンと共に旅をする事になりました!!」
驚いているのはスタンだけだった。
「他人の家の屋根に勝手に上るか普通」
スタンと共に放牧された羊達を囲っている柵に座りエミリオは呆れ果てている。リリスから貰ったリンゴを食べているルーティは反論意見を述べた。
「何か壊したとかじゃないからいいじゃない」
「そういう問題か……」
柵の中では女性陣が羊と戯れており、特にマリーが天に昇っていくかの様な笑顔を見せている。男性陣は村を見て回っていた軍人3人を交えてトーマスから村の説明を受けていた。
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