ジョニーの手を握り表情と行動で喜びを表す青年。その勢いにもジョニーは大人の対応をする。
「俺の子供ってわけじゃないけど、そこまで喜んでもらえるとやっぱり嬉しいもんだな。まあ名付け親をせがまれて引き受けたって事もあるんだが」
「なんか、名付け親を頼んだ時のフェイトさんの顔が浮かぶなぁ」
「その時ばかりは大王じゃなくて父親の顔だったっけな。アクアヴェイルは復興しながらお祭り騒ぎだよまったく」
「お姫様が産まれたから、皆嬉しいんでしょうね」
その皆には彼自身が含まれているのはわざわざ考えるまでもない。
だが彼の笑顔はふと周りを見渡した時に小さくなる。
「……ルーティか?」
「あ……うん」
小さく頷くスタンに持っている情報をエミリオは伝えた。
「僕がクレスタに使いを出した時は居なかった。此処にも来ていないとなると、何処に行ったのか……」
「そっか……」
見るからに落ち込んでいる彼にどういった言葉を掛けるべき迷っていると、スタンは一呼吸置いて口を開く。
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bkm
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