13

 スタンといいルーティといい不思議な事が続く、皆がそう思いながら歩いていると羊小屋の隣に建つ家に到着した。

 バッカスはドアを軽く叩き用件を伝える。


「リリスちゃーん、お客さんが来たよー」


 ドアはすぐに開き長い金髪をポニーテールにした少女が現れ、彼女は“お客さん”に深々と頭を下げた。


「フィリアさん以外の方は初めまして、スタンの妹のリリス・エルロンです。兄がとてもとてもお世話になりました」


 兄の反面教師か、リリスからは非常にしっかりした印象を受けた。そしてバッカスは心なしか落ち着かない様子で質問をする。


「リリスちゃん、あのさ……スタンは?」

「うん、お兄ちゃんは……」


 リリスが答えようとした時、家の中から彼は現れた。相変わらずの金髪と笑顔で仲間達を迎える。


「皆! えっと、いらっしゃい!」

「お前、起きてたのか?」


 久々の再会だというのに第一声で質問をするエミリオに、当然スタンは明るく返す。


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bkm

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