父を越える事が野望ならば、彼女への想いは切なる願い。

 もしかしたら彼にとって彼女は、マリアンと同列、もしくはそれ以上の存在なのだとシャルティエは思い、言った。


《坊っちゃん、坊っちゃんは僕のマスターなんだから、きっと大丈夫ですよ》

「……どうして、お前のマスターだから大丈夫なんだ?」

《だって、ずーっと一緒で上手くやって来たんですから、僕が居る限り心配は要らないんです》

「……その自信は、一体何処から来るんだ」


 思わず苦笑し、リオンは立ち上がる。


《坊っちゃん、何処かに行くんですか?》

「もう充分休んだ、目の前に解決の鍵があるかもしれないのに静観しているのは性に合わないからな」

《他の皆はどうします?》

「……べつに、いいだろう。目的は情報収集だ、それくらい僕一人でやる」


 単独行動はよくないとシャルティエは忠告しようとするが、リオンは足早にオフィスを後にしてしまった。


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bkm

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