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 エミリオは少し声を潜めバッカスに問う。


「この村で、モンスターの山が作られたと聞いたが……」

「ああ、それな、やったのマギーおばさんとトーマスさんだよ。一応自警団はあるんだが、あの2人には束になっても適わないな……」

「…………」


 この村は一体と考えるべきなのか、あのスタンが育った村なら仕方ないと考えるべきなのか、エミリオの中では結局答えは出なかった。

 ルウェイン、ウイルとジョブスの3人は村を回ると離れ、他の者はバッカスの案内でスタンの家へと向かう。


「あれ……リリスちゃんのアレが聞こえないな……」

「スタンさん、起きているのではないでしょうか」

「まさか……リリスちゃんゆっくり休んでってんでやってなかったけど、最近またやり始めてたし……」


 首を傾げているバッカスにエミリオが問う。


「僕達より先に黒い髪の女が来なかったか?」

「え? ……うーん……他所の人が来たらすぐに分かるから、多分来てないんじゃないかな」


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bkm

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