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 トーマスと呼ばれた老翁はルウェインと固く握手している。


「いやはや、スタンから聞いた時はビックリしましたな」

「私もだよ、まさか君の孫に会うとは」

「ハハハ、家出した孫がジジィの上官に会うとは、世の中分かりませんなァ」


 元気な老人達の会話、しかしただ元気な老人だけでは済まない事をエミリオは知っている。

 そんな彼に声を掛けたのは、彼が知っている人だった。


「ようこそリーネへ、何人かは会った事あったな確か」

「お前は……確かバッカスだったか」

「おう、わざわざ田舎までご苦労サン。スタンも楽しみにして……って言いたいが、アイツまだ寝てたんだよな……」

「やっぱりか……」


 何となく予想はしていたとリオンが言うと、バッカスが苦笑いを浮かべる。


「そろそろリリスちゃんの必殺技が聞こえてくる頃かな……」

「1年経ってもそれは変わらないか……。ところで、風の噂で聞いたんだが」


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bkm

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