船を降りフィッツガルド北部に到着した彼等は、暫しの休憩の後に港を出た。目的地である村はそう遠くはなく、この人数とそれぞれが実力者であるからかモンスターは殆ど現れない。

 のどかな気候という事もあるのか彼等の会話は歩きながらでも弾み、その中でマリーは思い出す。


「そういえば、フィリアはリーネに行った事があるんだったな」

「はい、ゆったりとしていて良い村です。村の皆さんはとてもイキイキしていて……スタンさんを起こす為にリリスさんが鳴らすフライパンが村の名物らしいです。私も聞きましたが……アレは凄いです、モンスターも倒せそうな威力でした」

「そうなのか……スタンを起こすというのは、それだけ大変な事なのだな」


 それはそれでどうなんだと何人かは思うが、同時にスタンでは仕方ないとも納得する。

 そうこうしている内に村が見え、村の門となる場所を彼等は潜った。当然注目は浴びるが騒がれる事は無く、ゆったりとした雰囲気は変わらない。


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bkm

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