事実を言われてしまいどう返すべきか悩むエミリオだが、その時間は短かった。


「僕だけ約束を破るという事はしたくなかっただけだからな。……それに、ハーメンツに関してはフィリアだけではなく、あの漆黒の翼とかいう奴等がよく働いてくれているからな、僕は人材と資金を提供しているだけだ」

「書類を捌くのもかなり体力が必要な仕事だろう。しかしハーメンツか……各地の地質調査に力を入れなければな」

「ああ、事前に避難していなかったらと思うとな……。しかしまさかあんな地割れが起こるとは……教徒が多いという事もあるが、村人全員を受け入れた大神殿には感服する」

「人間は手を取り合える生き物、それを自然に体現出来るのはとても良い事だな」


 その言葉は王らしく重さがあり、それでいて素直な喜びがある。それを見習わなければと思うエミリオの視界に、目的地である港が現れた。


「地形の変化では、今の所フィッツガルドが1番大きいだろうな」


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bkm

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