徐にフィリアの視界の隅に入る様な位置でトレーニングを始めたコングマンには触れず、エミリオは2人と分かれ水を飲もうと船内へ行く。

 その目的の大部屋で、船員を相手にジョニーが自慢の歌声を披露していた。その中にはマリーとチェルシーも居る。


「あうぅ……明るい歌なのに、何故か切なくなっちゃいます……」

「ウッドロウになかなか会えないからか?」

「はい……お忙しいのは分かってるんですが……ウッドロウ様ぁ……」

「なら、今会いに行けばいいんじゃないのか?」


 非常に的確な助言だと水を飲みながらエミリオは思う。

 だがチェルシーは首を横に振った。


「いえ、ウッドロウ様は現在お一人になる時間が殆ど無いので……せめて今だけは、何の気兼ねもせずゆっくりしてもらいたいのです」

「なるほど、良い考えだな」


 感心するマリー、照れているチェルシー。そこへ歌い終えたジョニーが入って来た。


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bkm

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