説教を始めたウイルとそれを聞き流すジョブス、その態度に更に説教をウイル。
これ幸いにと2人から離れたエミリオに、新たな障害が現れた。
「リオンさん、船酔いしていらっしゃると聞いたのですが……」
「あ、ああ……」
頭の中で警鐘が鳴っている少年にフィリアは青い錠剤が入った瓶を差し出す。
「コレ……船酔いに効く、と思います」
「……今まで誰か飲んだ事は」
「それが……皆さん大丈夫と言って飲んでくださらなくて……」
そりゃそうだろうと思う一方、なんと言ってこの場をやり過ごすか悩む彼の前に今度は助け船現れた。
「おや、取り込み中だったかな」
「い、いえ……!」
私服姿のルウェイン将軍を前にエミリオは少し緊張し、その姿にフィリアとルウェインは微笑んでいる。
「今はプライベートだ、そこまで固くならんでも大丈夫だよ」
「は、はい……」
ルウェインの性格と今がプライベートだという事を分かってはいるが身体が反応してしまう。客員剣士であった頃の週間が未だ抜けていないのだと自覚し、彼は苦笑いを見せる。
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