1年後、“その技術力でミクトランに反抗するも命を落としてしまった”ヒューゴ・ジルクリストの息子であるリオンは、オベロン社を引き継ぐにあたって王国客員剣士の称号を返上し名をエミリオ・ジルクリストに戻していた。
各地の復興、レンズ回収に加え、職を探す者達の相談に乗るという世界の為に活動している企業の総帥は多忙であって当然。
「そーすーい、エミリオそーすーい、大丈夫ですかー?」
「黙れジョブス……」
「まったくだ、お前はもう少し気遣いというモノをだな……」
「お前は気を使い過ぎだ……」
今は、船の甲板で相変わらずのウイルとジョブスに溜息を吐いていた。大陸に沿うようにして船は進む、時間帯はまだ朝。
ウイルは薬や水やエチケット袋等を必要以上に持ち、ジョブスは気を紛らわせたいらしく何時もの軽口を叩く。
「しかし、年下を“総帥”って呼ぶのなんか面白いな」
「お前……私達は総帥の護衛としてこの船に乗っているんだぞ。だというのにそんな口を利くとは軍人としてあるまじき……」
「あーあーまーた始まったよ……」
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