13

 ウッドロウからの頼みに満面の笑顔を見せるチェルシー。

 姉弟は柔らかい笑顔のファンダリア王に感心する。


「流石だわ……アンタも少しは見習いなさいよ」

「そう言うお前もな」

「あ?」

「は?」


 睨み合いを始めた2人の間にスタンが割って入る――と皆は思っていたが、彼は考え事をしているらしくそれには無反応だった。

 2人もそれに驚き、ルーティが声を掛ける。


「スタン……どしたの?」

「えっ……ええと、ちょっとな……」

「何よ、なんか気掛かりでもあんの?」

「いや……」


 言葉を濁すという似合わない事をする彼にルーティは眼をつり上げた。


「言いたい事があるならハッキリ言いなさいよ、気持ち悪いわね」

「き、気持ち悪い……」

「ショックを受けるくらいならさっさと言え馬鹿者」


 リオンの後押しかもしれない後押しを受けたスタンは、気を落ち着かせる為か深呼吸をする。

 そして皆を見て口を開いた。


「ちょっと、提案があるんだけどさ……」


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bkm

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