愚痴を溢すルーティは一瞬だけ横目でスタンを見た。一方スタンは何か考え込んでおり、声を掛けているコングマンに気付いていない。
「テメェ、俺様を無視とはいい度胸だなスタン!」
「え? 何か言った?」
「だァから、オメェはフィッツガルドに何時戻るんだって訊いてんだ。そろそろ航路も決まって、船が出せるって話だからな」
「あー……うーん、じっちゃんやリリスかなり心配してるだろうしな……」
何故か悩むスタン、何となくその理由をリオンは知っている。
分からないコングマンが追求しようとしたその時、彼の表情が変わった。
「フ、フィリアさん……!」
「コングマンさん、お疲れ様です」
現れたフィリアの他にウッドロウ、チェルシー、ジョニーが居るが、恐らく彼の視界には全く入っていないだろう。
その様子にジョニーが苦笑いを見せる。
「もう見慣れた光景だなコレも……」
まったくその通りだと大半が内心同意した。
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bkm
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