飛行竜が降り立ったセインガルド城は一部空からの瓦礫で損壊していたが、今は世界に戻った空と彼等の帰還に皆は沸いた。5人の若者達を出迎えた王や将軍、仲間達が着ている服は少々汚れていたが、その顔は晴々と輝いている。

 マリーとジョニーは大人な対応をしているが、コングマンとチェルシーは号泣し周りを失笑させた。

 だが決戦を終えた彼等に無理はさせられないと、すぐに将軍の指示で医務室へと案内された。仲間達は各地の被害確認の為に忙しなく動く。

 その途中、リオンは1人足を止める。視線の先には彼の本当の名前を知る女性が居た。

 彼はゆっくり彼女に近寄る。


「お帰りなさい、エミリオ」

「うん……ただいま、マリアン」


 帰って来たのだという実感と共に、喪失感を彼は感じた。だが今は、それを哀しいだけの感情にはならない。


「沢山お菓子を作るから、皆で食べましょうね」

「うん」


 此処には確かに、大事なモノがある。


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bkm

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