《坊っちゃん》
「何だ」
《坊っちゃんの大切なモノを守れなくて、すみませんでした》
「……お前が謝るのは筋違いだ」
手に力を込め直し告げた。
「お前は僕の剣だ、だからお前が生んだ結果は僕が生んだモノ、お前が謝った所で何にもならない。それが分からないからお前は駄目なんだ」
彼の眼は真っ直ぐ目の前のモノに向けられている。
「お前はこれから世界を救うんだ、後の事は僕に任せてグダグダ言わず堂々としていろ」
《坊っちゃん……》
「この僕が信用ならないのか?」
問いに対して失笑が返された。
《そんな筈、ないじゃないですか。なんたって僕のマスターなんだから》
「ネガティブなのかポジティブなのか分からんな」
鼻で笑い、切っ先を消えるべき輝きへと向ける。
「……シャルティエ、お前に会えて良かったと思う」
《ありがとうございます、……エミリオ坊っちゃん》
4本目の剣がマスターの手から離れた。
prev next
bkm
[back]