彼女は寂しげな微笑を浮かべる。


「私は私の出来る事に全力で取り組みます……神官として、1人の人間として。だから、安心してくださいね」

《うむ、フィリアは儂の自慢のマスターじゃ》

「クレメンテは、私の大切な師です」


 両手でしっかりと柄を握り締めた。


「クレメンテ……今までありがとうございました」

《さらばじゃ、フィリア》


 深くそれは突き刺され、次にウッドロウが前に出る。


「我が王家に尽くしてくれた事を感謝する、イクティノス」

《礼を言われるような事はしていない、今も昔も軍人としての責務を果たしてきただけだ》


 軍人として、そう言う割にはその言葉は柔らかい。


《王としてこれから大変だろうが、お前ならきっと父親とはまた違う良い王になれると俺は確信している》

「ふっ、言われなくてもなるつもりだ。他の誰でもない、私が決めた道を私は歩く」

《流石だ、ウッドロウ》


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bkm

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